美肌作りはスキンケアだけではなく、毎日の食生活で、タンパク質を初めビタミン・発酵食品などを摂り入れることで体の内側からキレイになっていけます。
この記事では、その中でも発酵食品であるヨーグルトの効果や食べ方、さらに、誰にでも簡単に作ることが出来る方法について紹介しています。
目次
ヨーグルトの美肌成分の種類
ヨーグルトを含め、漬物・納豆・キムチ・チーズなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やすために欠かせません。善玉菌は腸の運動を活発にし、ビタミンや酵素など美容に効果のある物質を作り出す働きをしてくれます。
また、善玉菌は悪玉菌を退治し、腸内環境を整えるといった腸に嬉しい働きを行ってくれるのです。

さらに、ヨーグルトの中には、腸内に存在する善玉菌で美肌効果が期待できるビタミンB群を生成する作用があり、ヨーグルトを食べることにより善玉菌の作用を助け、美肌効果のあるビタミンB群の生成を促進させることが出来ます。
また、ヨーグルトには、そのほかにも美肌に効果的な成分が多く含まれていますので、詳しく見ていきましょう。
たんぱく質
たんぱく質とは、体内のあらゆる細胞を作る栄養素です。そのため、いきいきとした美肌をキープする上でとても大切な栄養素になります。

たんぱく質は、主に肉・魚・卵・大豆などに含まれており、痩せたいと考えて、これらの食品を摂らないような過剰なダイエットをする人も珍しくありませんが、それは間違いです。
たんぱく質が不足すると、痩せてキレイになるつもりが、肌がシワシワになってしまうのです。
その点、ヨーグルトは低カロリーの上、ダイエット中でもたんぱく質が摂取でき、美肌効果もアップするのでオススメです。
ビタミンA
ビタミンAとは、レチノール・レチナール・レチノイン酸の総称をいい、皮膚を健康な状態に保ち、乾燥・肥厚・角質化を防ぐ役割を果たしています。

ビタミンAは、主にレバー・うなぎ・バター・マーガリン・チーズ・卵・緑黄色野菜などに含まれておりますが、摂取するためには調理が必要な食品が多くなっています。
その点、ヨーグルトは調理することなく手軽に摂取する事が出来るので、他の食品に比べビタミンAを摂りやすいと言えるでしょう。
スキンケア用品では、乾燥予防・シワ改善として使われています。
ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの種類を指します。これらには、新陳代謝を促し肌の再生を助けてくれる働きがあります。

ビタミンB群は、ビタミンA同様にレバー・うなぎ・バター・マーガリン・チーズ・卵・緑黄色野菜の他に、豚肉・魚介類・納豆・豆類・バナナ・イチゴなどにも含まれています。
肌や爪、髪などをつくる材料であるタンパク質に効果的な代謝を助けてくれる働きを持ち、美肌の土台を保つための重要な栄養素でもあるのです。
ビタミンC
ビタミンCとは、コラーゲンの生成・免疫力の強化・抗ストレスに効果があります。
そして、よく知られている効果がメラニン色素の生成抑制です。紫外線に当たると体内で活性酸素が発生し、その活性酸素の影響で皮膚中の色素細胞(メラノサイト)でメラニンが合成されますが、その合成を抑制してくれます。

ビタミンCは、果物(特に柑橘類やイチゴ)・野菜・芋などに含まれています。特に、果物は年間を通して手に入る食品ですので、ヨーグルトと併せて摂ることで、より効果が期待されます。
しかしながら、メラニンとその原因を作る紫外線は、1年中私たちに降り注いでいます。そのため、ビタミンCだけを摂ればいいという事ではありません。
食べ物で身体の内側から整えつつ、スキンケアでも紫外線からお肌を守りましょう。
ヨーグルトに入っている菌の種類と効果
ヨーグルトの中には、乳酸菌やビフィズス菌など様々な菌が含まれています。
そして、市販のヨーグルトの中でも、自分が必要としている菌が入っているヨーグルトを選べる環境になってきています。
ヨーグルトに含まれる菌の種類 | 効果 |
---|---|
クレモリスFC株・ラブレ菌・ガセリ菌SP株・ビフィズス菌SP株・シロタ株・ブルガリア菌 | 便秘予防・解消 |
クレモリスFC株・ラブレ菌・ガセリ菌SP株・ビフィズス菌SP株・シロタ株・ブルガリア菌 | 免疫力強化 |
BB536株・シロタ株 | 花粉症予防・改善 |
クレモリスFC株 | アトピー性皮膚炎の改善 |
クレモリスFC株・ブルガリア菌2038株 | 美肌・肌あれ改善 |
クレモリスFC株 | 血糖値の上昇の抑制 |
クレモリスFC株・ガセリ菌SP株 | コレステロール値の改善 |
具体的に市販されているヨーグルトには、どのような菌が入っているのでしょう。代表的なヨーグルトと併せて紹介していきます。
ブルガリア菌【効果:便秘予防・解消】
「明治ブルガリアヨーグルト LB81」には便秘予防に効果のある「ブルガリア菌」が多く含まれています。
それに加えて、ブルガリア菌の生育を助ける「サーモフィラス菌」も含まれているため、ブルガリア菌のみを多く配合したヨーグルトに比べて、腸内環境の改善効果がより期待できます。
「特定保健用食品」に指定されている点も、その効果の高さを裏付けています。
ガセリ菌SP株・ビフィズス菌SP株【効果:免疫力強化】
「雪印 メグミルク ナチュレ 恵」には「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」の2種類の菌が含まれおり、腸内環境を整えることで免疫細胞が正常に働き、有害なウイルスや細菌から体を守ってくれる免疫力効果の作用があります。そのため、風邪・インフルエンザの予防にも期待があり、これもまた「特定保健用食品」に指定されています。
ビフィズス菌BB536【効果:花粉症予防・改善】
「森永 ビヒダスヨーグルト」には「ビフィズス菌BB536」が入っておりアレルギー症状を緩和してくれる効果があると言われています。また「ビフィズス菌」は乳酸や酢酸といった有機酸を生成し、悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を整えます。
美肌にはカスピ海ヨーグルトが最も効果的
ヨーグルトの中でも、美肌効果があるとされているのが「カスピ海ヨーグルト」です。
そのルーツは、カスピ海と黒海に囲まれたコーカサス地方のジョージア(旧グルジア)で100歳を越える長寿の方が食べていた自家製ヨーグルトになります。
そのヨーグルトを日本に持ち帰り研究を重ね「クレモリス菌FC株」が出来上がりました。そして「クレモリス菌FC株」は粘りの成分「EPS」を作り出します。
この2種類の成分が美肌・肌荒れ改善・アトピー性皮膚炎の改善の他にも、血糖値の上昇の抑制・コレステロール値の改善にも効果があると言われています。
クレモリス菌FC株の正式な名前(学名)は「Lactococcus lactis subsp. cremoris FC (ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ クレモリス エフシー)」ですので「クレモリス菌FC株」とよばれています。このクレモリス菌FC株で作られたヨーグルトが『カスピ海ヨーグルト』になります。
クレモリス菌FC株は「EPS」を産生します。「ESP」とはExopolysaccharide(エキソ ポリ サッカライド)の略で、乳酸菌がヨーグルトの発酵中に産生する物質のひとつです。「EPS」は糖が繰り返し結合した高分子の多糖で、「カスピ海ヨーグルト」の特長的な粘りのもととなっています。
過密ストレスにより肌機能の低下を引き起こしたマウスに、「ESP」を摂取させた研究では肌機能の改善効果が見られました。
上記のように、肌機能の改善に効果があるということは、研究でも立証されていますので、是非、摂り入れて内側から美肌作りをしていきたいですね。
カスピ海ヨーグルトを手作りしましょう
カスピ海ヨーグルトは市販もされていますが、今回は自分で作る方法を紹介します。
自分で作るという楽しみと出来上がった時の嬉しさも感じることができるので、気分転換にもなります。
また、市販のカスピ海ヨーグルトは1個あたり200円~400円程度ですが、牛乳1000mlで市販のヨーグルト約2個分を作ることができるので、1個あたり80円~100円程度と市販のカスピ海ヨーグルトを購入するより経済的です。
また、1度作れば、作ったヨーグルトが「種」となりますので、牛乳があれば作り続けることが出来ます。
さらに、「種」の量や発酵期間を調整することで自分の好みの硬さに調節することも可能です。ただし、「種」の量が少ない、又は、多すぎるといった場合は、発酵しないので注意しましょう。
今回、紹介する手作りの方法は、お料理が好きな方はもちろんですが、私のように料理が苦手という方でも簡単に作ることができる方法です。
作り方
それでは、初めに準備するものを紹介します。
準備するもの
- 容器
- 牛乳 500ml
- スプーン
- カスピ海ヨーグルトの種
容器は、口の大きいもので、熱湯消毒をするので耐熱ガラスの容器がオススメです。

牛乳は「種別」が「乳製品」ではなく「牛乳」を選びましょう
「種」は「フジッコ」で提供している「カスピ海ヨーグルトの種」を使いました。
準備が出来たら、さっそく作っていきましょう。
step1:容器を熱湯消毒
初めに容器を熱湯消毒します。このため、耐熱ガラスの容器がオススメですが、私は100円ショップで購入した容器を使用しています。耐熱ガラスではありませんが、割れることもなく十分使うことが出来ています。
この時、スプーンも一緒に消毒すると良いでしょう。

熱湯を容器の半分くらいまで注ぎます。次に熱湯を回すように容器全体を消毒します。この時、火傷しないように気をつけて行いましょう。

水滴が残っていても問題はありませんが、私は少し乾燥させてから使っています。

step2:容器に牛乳とカスピ海ヨーグルトの種を投入
容器に牛乳500mlを注ぎます。

続いて「カスピ海ヨーグルトの種」を入れてかき混ぜ、蓋をして室温で発酵させます。

step3:発酵させたら出来上がり
私はリビングの棚において発酵させています。夏場は1日くらいですぐ発酵しますが、冬場は2日〜3日かかります。室温が低いと発酵しにくいので、エアコンなどで20℃~25℃くらいに部屋を少し暖かくすると良いでしょう。

発酵しないからといって、コタツに入れるのはNGです。
なぜなら、私自身が、初冬になかなか発酵しなかったので、コタツに入れてみたところ発酵する前にカビが生えて腐らせてしまったからです。
発酵が終わったところがこちらです。こんなに簡単にカスピ海ヨーグルトが出来上がりました。

そして、この粘りが「クレモリス菌FC株」から作り出された「ESP」で美肌成分となっています。

2回目以降の作り方
1回目のヨーグルトが出来上がったら、食べる前に2回目以降のヨーグルトを作っておくことをオススメします。なぜなら、2回目以降は1回目に作ったヨーグルトが「種」として利用できるため、毎回「種」を買う必要が無くなり、さらに安く抑えられるからです。
step1:容器を熱湯消毒
まずは、1回目同様、容器を熱湯消毒します。
この工程は、衛生面からも行った方が良いでしょう。
step2:容器に牛乳と種を投入
2回目以降は、このstep2がポイントになります。そのポイントとは、作ったヨーグルトが種になるところです。
まず、牛乳を容器に500ml入れます。
次に種を入れますが、種に使う部分は、空気に触れていない奥の方を使うと衛生的です。

種の量はカレー用のスプーンで3杯~5杯くらいですが、入れる量は好みの硬さになるよう調節してみると良いでしょう。種を入れたらかき混ぜ、蓋をして発酵させます。
step3:発酵させたら出来上がり
この工程も1回目と同様に、室温で発酵させますので、室温も調節しましょう。
このように、簡単に作ることができますし、先に説明したように、牛乳があればずっと作り続けることができるので、カスピ海ヨーグルトを毎回購入するより経済的にもオススメです。
ヨーグルトの効果を高めるなら夜に食べるのがベスト
ヨーグルトというと朝に食べるイメージがありますが、実はそうではなかったのです。
では、いつ食べるとヨーグルトの効果が発揮されるのでしょう。
ヨーグルトを食べる時間帯は夜10時~深夜2時の間が良いと言われています。この時間帯に食べると腸の動きが活性化され、整腸効果が倍増するといわれています。
とはいえ、この時間帯に食べるのは難しいので、夕食後など夜に食べることをオススメします。
ヨーグルトは胃酸に弱いので「菌」を生きたまま腸まで届けるには、胃に食べ物が入っている時がベストなのです。

また、寝ている間に腸の中で善玉菌が活発に働いてくれるため、翌朝の快適なお通じも期待できます。腸内環境が整えば、新陳代謝も良くなり、肌のターンオーバーも助けてくれます。
ヨーグルトと一緒に摂りたいオススメの成分
美肌に良い成分は、ヨーグルトに含まれているたんぱく質・ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンCの他にも様々あります。
ここからは、ヨーグルトと混ぜたりすることでヨーグルトの味に変化が出て飽きずに食べることのできる、ヨーグルトと相性のいい美肌成分の入った食品を紹介していきます。
ミネラル
ミネラルには、カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・ナトリウムを含め、約100種類の栄養素があると言われています。
そして、そのミネラルには紫外線などの外からの刺激から守るバリア機能を高める効果あります。また、肌弾力や水分量を保持する働きを高めてくれる効果もあるのです。
そのため、シミ予防・肌弾力の維持・シワやたるみ防止・保湿など、美肌に欠かせない成分となっています。
ミネラルを含んだ食品
- ハチミツ
- バナナ
など
ミネラルを含む食品は数多くありますが、ヨーグルトと一緒に摂ることができる食品として「ハチミツ」をオススメします。
なぜ、ハチミツをプラスすると良いかと言いますと、ハチミツは砂糖に比べ低カロリーのうえ、ミネラルの他にビタミン類など栄養が豊富に含まれているからなのです。
また、今回、作り方を紹介したカスピ海ヨーグルトには砂糖を使用しておりませんので、砂糖ではなく「ハチミツ」を加えることで、甘みをプラスしつつハチミツの成分も一緒に摂ることが出来ます。

ポリフェノール
ポリフェノールには、肌の老化を防ぐ抗酸化作用がありますので、是非、取り入れたいですね。
ポリフェノールを含んだ食品
- ブルーベリー
- カシス
- ブドウ
- 大豆
- カカオ
など

ブルーベリーなどはそのまま入れるだけでも、見た目の印象が変わるので視覚からも楽しめますし、ソースを入れても味に変化ができ飽きずに食べることができます。
ビタミンE
ビタミンEにもポリフェノール同様、肌の老化を防ぐ抗酸化作用があります。積極的に取り入れて肌の老化を防ぎましょう。
ビタミンEを含んだ食品
- オリーブ
- ゆず
- うめ
- アボカド
- キウイフルーツ
- マンゴー
- メロン
- 桃
- バナナ
- アーモンドやピーナッツなどのナッツ類
など
こちらの食品も、ポリフェノールを含んだ食品同様に、ヨーグルトに混ぜることで変化がでますので、是非、摂り入れて毎日食べるようにしていきたいですね。

まとめ
美肌効果のある食品は数多くありますが、今回は手軽に摂れるヨーグルトを紹介しました。
ヨーグルトの中でもカスピ海ヨーグルトは、腸内環境を整えることで新陳代謝が良くなり、美肌効果も期待できます。
また、カスピ海ヨーグルトは牛乳を用意しておくと、ずっと作り続ける事ができるという利点もあるのでコストパフォーマンスも優秀です。
美肌効果の高いカスピ海ヨーグルトを毎日食べて、体の内側から美肌作りをしていきましょう。
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